離脱症状(禁断症状)とは
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依存症であるかどうかの判断は、基準がなかなか難しい。
依存症のチェックリストも、なかなかわかりにくい。
というのも単なる「ハマっている」と、「やめられない」という間には、ハッキリした境界線がなくて、グレーゾーンが広いからだ。
ただ、依存症の場合は、依存対象に対する分量や時間が、どんどん増えていって、減らない。
物質依存・薬物依存の場合は、その物質に対する耐性ができて、最初に使った量では満足出来なくなる。
そして使用量がどんどん増えていって、身体を壊してしまうことになる。
ちょっとした気晴らしのために、ビールや酒を飲み始めたが、だんだん酒量が増えて、ついには酒無しではいられなくなる。
これがアルコール依存症ってことだ。
また、行動依存の場合は、その行動に費やす時間がどんどん増えて、一日の大半をそれに使うようになる。
たとえばゲームを始めたら面白くなり、朝から晩までゲームをしていたり、ゲーム機を手放せないような状態になる。
最初は数分しかしなかったゲームが、数時間は当たり前になり、どんどん時間が増えて、ゲームをやっていないとおられなくなる。
こういう風に、どんどん飲む分量が増えたり、熱中する時間がどんどん増えていく。
そしてこれらを、止めようと思ったり、飲む量や使う時間を減らそうとすると、それを拒否しようとし始める。
これが禁断症状とか離脱症状という。
禁断とか離脱とか言う言葉は分かりにくいが、禁断症状とは、完全に止めたときに出る症状で、離脱症状とは、量や時間を減らしたときにでる症状だ。
振戦せん妄、、、いわゆるアル中症状、、
依存症に陥っているかどうかは、離脱症状があるかどうかでわかる。
離脱症状とは、ハマっているモノを止めたり減らしたりしたときに、出てくる様々な症状のことだ。
物質依存・薬物依存の場合、その依存対象の物質、たとえばビールだったり酒だったり、睡眠薬だったり麻薬などを減らす。
そのとき、減らした物質をどうしても欲しくなって、探し回ったり、暴れて要求したりすると、既に依存症状態になっていると言うことになる。
ただ、離脱症状というのは、薬物によって強かったり弱かったりする。
たとえばアルコール依存症の場合は、アルコールを減らしたり断酒すると、高い割合で振戦せん妄(しんせんせんもう:DT)を引き起こしてしまう。
振戦せん妄の症状というのは、いわゆる「アル中」(アルコール中毒)で、悪夢・興奮・混乱・見当識障害幻覚や幻聴、発熱や発汗、頻脈や高血圧などがおこる。
見当識(けんとうしき)障害というのは、認知症の主症状で、今いる場所や時刻が分からなくなる。
アルコールは、脳が壊れる病気の「認知症」でも、アルコール性認知症というのがあって、飲み過ぎると脳が壊れていくので、こういうことが起こるらしい。
手足の振戦(震え)や不安、パニック発作や妄想が起こる場合もある。
これらは飲酒を停止してから2~3日後に起こり、4~5日目に最高の激しくなるという。
アルコールの他にも、抗うつ薬、抗精神病薬、気分安定薬などは、これに似た離脱症状が出る。
一方、不思議なことに、ニコチン(タバコ)や、覚醒剤などには、離脱症状があまり出ない。
無いとイライラはするが、それは不安など、別の原因から起こるモノらしくて、それを押さえるためにタバコを吸ったり、覚醒剤などを利用するということらしい。
離脱症状が弱ければ、事故の危険も少ないので、入院も必要無く、通院治療することができるようだ。