惜しい負けを経験すると、止められない
更新日:
デイトレ依存症になる理由。
次は「ニアミス効果」だ。
ニアミスというのは、簡単に言うと「惜しい負け」とか「悔しい失敗」のことだ。
負けにも色々あって、大負けもあれば、プラスマイナスほとんどゼロの「ほんのちょっと負け」というのもある。
プラスマイナスゼロの場合は、同値撤退みたいなモノだから、手数料分だけ損という感じになる。
たとえば高値になっているが、挙動が怪しい銘柄を、含み損が小さいウチに損切ったり、株数を減らしたりするのは、リスク回避策として妥当だろう。
買い増しするなら、騰がり始めてからでも十分間に合うし、急落したら損になるわけだから。
ところがデイトレでは、リスク回避をした後に、急に大きな買いが入って、株価がみるみる急騰することもよくある。
「売ったら株価急騰」のパターンだ。
こういうとき、トレーダーの心理は、「うわー失敗したー」と激しく動揺する。
実際には大した損切りもしていないのに、まるで大損したかのように感じるのだ。
損失はほとんどゼロなのに、儲け損なったことを悔いるのだ。
こういう心理は、株・デイトレに限らず、ギャンブル全般で起こることらしい。
ニアミス効果というのは、こういう惜しい経験をすると、大損していても、ギャンブルを続行する糧になるということだ。
損することより儲け損なう方が怖い
デイトレをしていると、後の成長株を掴むことがある。
5割増しくらいは当たり前で、2倍・3倍、時には5倍を超える。
そういう銘柄の株価の動きは、なかなか読みにくい。
たとえばストップ高になった翌日、ギャップダウンして横ばいが続くと、騰がると思ったのは間違いかと思い始め、さっさと利益確定したくなる。
そこで利確して手放すと、そのあとから急に買いが増え始めて、「ああやっぱり上か」ってことになる。
そして、うっかり手放したことを後悔し、そして慌てて買い戻したりする。
もちろん、ずっと横ばいだった株価が、騰がるかどうかは状況次第だ。
しかし2時半過ぎとか、大引け前15分くらいから、急に株価が動いたりするもんだから、儲け損なうと本当に悔しい。
突然買いが入って、あっと言う間にストップ高になったりすると、悔やんでも悔やみきれなかったりする。
たいていは急騰するより、急落することの方が多いので、手仕舞うというのは悪い判断じゃない。
でもこれが「悔しい失敗」として記憶に残り、別の銘柄で似たようなことが起こると、逆に握りしめて暴落で損したりする。
こういう惜しい負けや悔しい経験をすると、ゲームを続行する意欲につながる…というのが「ニアミス効果」というものだ。
スロットマシンなどの設定でも、こういうニアミス(惜しいアタリ)の出目を、30%くらい出るように設定すると、ゲームの継続率が高くなるんだという。
つまり損することより、「アタリを逃がしたのではないか?」という思い込みの方が大きくて、「今止めるのは損だ」と思うって事かな?そういうわけで、儲け損なうと、さらにデイトレを続けようとして、デイトレ依存症になっていくわけだな。