ドーパミンとは、やる気を生み出す脳内物質

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依存症の患者の脳内では、一体どういうことが起こっているのか。

 

脳科学の研究が進むにつれて、様々なことが分かってきた。

 

まず一つは脳内物質の「ドーパミン」。

 

人が酒やタバコ、薬物やギャンブル、恋愛や過食などを行っているとき、脳内ではドーパミンという物質が、大量に放出されている。

 

脳内物質には様々なモノがあるが、やる気を生み出す物質が、ドーパミン、アドレナリン(エピネフリン)、ノルアドレナリンという3つだ。

 

ただ、ドーパミンはアドレナリンとノルアドレナリンの前駆物質だ。

 

つまりアドレナリンとノルアドレナリンは、ドーパミンから作られる物質なので、結局、やる気はドーパミン次第って事になる。

 

そして、やる気物質をコントロールするのが、セロトニンという物質になる。

 

ノルアドレナリンは、セロトニンとともに、ウツ病の治療に使われたりするため、ノルアドレナリンの前駆体であるドーパミンと、セロトニンの二つの脳内物質を、上手くコントロールすることが、依存症から離脱する大きなポイントになる。

 


GABA(ギャバ)とグルタミン酸が、依存症の鍵?

酒やタバコ、ギャンブルや恋愛は、脳内のドーパミンを増やし、一種の興奮状態を生み出す。

 

その事によって、不安や痛みなど、不快な気分が和らいだりする。

 

このとき、脳の神経細胞同士をつなぐ「シナプス」という部分では、伝えられる信号の強度が、それ以降ずっと強くなる。

 

つまり、酒やタバコを飲んで、不快症状が和らいだりすると、快感回路・報酬系の結びつきが強くなり、酒のことを考えるだけで、軽く興奮する。

 

これを長期増強(Long Term Potentiation:LTP)と呼ぶが、酒を飲む→気持ちよくなる、というのがパターン化するわけだな。

 

お金持ちの家に行くと、甘いお菓子が食べられると知った子供が、その家に毎日行こうとするみたいな話だ。

 

そしていったんパターンを学習して、身につけてしまうと、神経細胞は、何年も何十年もそれを覚えている。

 

これが起こるのはVTA(腹側被蓋野)の「グルタミン酸シナプス」だが、逆の変化もあって、それが同じVTAにある「GABAシナプス」だ。

 

GABAシナプスは、ドーパミンなどの分泌を抑える経路だが、これが長期抑圧(Long Term Depression:LTD)を起こす。

 

GABAシナプスで長期抑圧が起こると、働きが鈍くなり、ドーパミンの暴走が押さえられなくなる。

 

健常者が欲望をコントロール出来るのは、GABAシナプスが正常に働いているからで、ココがおかしくなると、依存症になっちゃうわけだな。

 


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