太っている人は、食べても食べても満足できない

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依存症は、大まかに3つのグループに分けられる。

 

一つは「物質依存・薬物依存」、もう一つは「行為依存」、最後は「関係依存」。

 

最初の物質依存・薬物依存は、タバコや酒・アルコールなどの、依存性のある成分による依存症だ。

 

次の行為依存とは、何かをやらずには済まないという依存症で、パチンコ依存症だとか、ギャンブル依存症だとか、ゲーム依存だとか、スマホ依存のようなモノが入る。

 

最後の関係依存とは、恋愛依存だとか、共依存(支配・被支配関係)など、人間関係を中心とした依存症のことだ。

 

では、食品依存・糖質依存が、どのグループに入るのかというと、現在は2番目の行為依存の「摂食障害(過食・拒食)」になっている。

 

つまり食品自体の依存性の強弱より、「食べるという行為」に依存性があると、考えられているわけだ。

 

実際、太っている人と痩せている人に、甘いドリンクをストローで飲んでもらって、脳スキャンしてみた実験というのがある。

 

そうすると、痩せている人の脳のVTAからはドーパミンが大量に放出されたが、太っている人の脳のVTAは、あまり強い反応を示さなかったという。

 

太っている人は、甘いドリンクを飲んでも、痩せている人に比べてドーパミンの放出量が少なく、高揚感が意外に小さかったのだ。

 

つまり実際に食べて得る満足より、食べる前の「期待感」や、食べるという「行為」が鍵らしい。

 


レプチン 身体が求める正常な食欲とは

太っている人は、食べ過ぎるから太っているのに、食べてもなぜ脳の反応が鈍いのか。

 

太っている人は味や量に耐性ができて、少量では満足出来ないと考えられる。

 

食べたいという欲求と、実際に食べたときの満足度に、大きな差・ギャップがあるため、それが埋まるまで食べ続けるらしい。

 

その証拠として挙げられているのが、やはり被験者に甘いドリンクを飲んでもらう実験だ。

 

甘いドリンクを飲む場合に、どの段階で脳が活性化するのか、もう少し詳しく調べてみたところ、太っている人はなんと、ドリンクを飲む前に脳の反応がすでにピークに達していたのだ。

 

要するに、美味しそうなモノを見た時に、興奮が既にマックスになっていて、実際に食べ始めると、惰性で食べ続けているらしい。

 

つまり、実際に身体が求めているわけではなく、興奮で食べ始め、惰性で食べ続けるわけだな。

 

もちろん実際に身体が食物を求めて、猛烈に食欲が湧くと言うこともある。

 

それは「急に痩せたとき」だ。

 

体重が急に減ると猛烈な食欲が湧いて、たいていリバウンドしてしまう。

 

このとき何が起こっているかというと、血液中のレプチンが大きく減って、視床下部というところで検知される。

 

レプチンとは、脂肪細胞から出るホルモンで、痩せるとレプチンの量が減ってしまう。

 

これが視床下部に伝わると、「体重が異常に減っていて危険だ」ということで、「もっと食べて体重を戻せ」と言う風に、猛烈な食欲をかき立てるらしい。

 

逆に言うと、体重が減っていないのに、猛烈な食欲が湧くこと自体、おかしいのだと考えないといけない。

 


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