リチウムは、オキシトシンを増やす?
更新日:
デイトレ依存症を克服するためにオキシトシンを利用する話。
オキシトシンは、視床下部で生産され、ドーパミンとセロトニンという2つの神経伝達物質の分泌を促す。
ドーパミンは興奮性で「やる気」の元になるし、セロトニンは抑制性で「落ち着き」の元になる。
この二つの神経伝達物質が、うまくバランスすることで、我々はモチベーションを高めつつ、落ち着いて行動することができるわけだ。
このオキシトシンを増やす成分として、近年注目されているのが、リチウムというミネラルだ。
リチウムという元素は、ナトリウムやカリウムと同じ、アルカリ金属類の金属だ。
ここ数年、電気自動車の電池として、リチウムイオン電池というのが、非常に話題になっているのだが、人間の体内でも様々な働きがある。
一番よく知られているのは、双極性障害(そううつ病)などの躁状態を抑える薬として使われている。
「気分安定剤(リチウム)」として、炭酸リチウムが処方されているのだ。
また飲料水のミネラル濃度と自殺率の相関関係を調べた研究では、飲料水中のリチウムイオン濃度が高いほど、自殺率が低いという報告がある。
リチウムが多い水を飲んでる地域では、自殺や犯罪などが減るらしい。
リチウムがなぜ躁状態を抑えたり、自殺率を下げたりするのかという理由はまだハッキリしていない。
ただラットの実験では、リチウム塩を注射すると、視床下部で親和性を示すという。
注射されたリチウムは、体内にまんべんなく拡がるのだが、視床下部だけは特別に居残る。
その結果、オキシトシンを増やす働きをするらしい。
またリチウムは、アルツハイマー病の進行を遅らせるという報告も出ているらしい。
リチウムを含む食品 リチウムのサプリメント
リチウムというミネラルには、オキシトシンを増やす働きがあるらしい。
オキシトシン自体は、ペプチドタンパクで、
- システイン
- チロシン
- イソロイシン
- グルタミン
- アスパラギン
- プロリン
- ロイシン
- グリシン
なのでリチウムなど無くても、良さそうなモノなのだが、リチウムがあると視床下部を刺激して、オキシトシンを増やすらしい。
リチウムを多く含む食品は、次のようなモノがある。
リチウムを多く含む食品
- マイワシなどの小魚(ジャコ)
- イカナゴ
- ワカサギ
リチウムのサプリメント
サプリメントとしては、アメリカのブランドからアスパラギン酸リチウムが売られている。
リチウムの含有量は、1錠当たり5mgだ。
リチウムの一日当たりの推奨量は、2016年時点では1mg(1,000μg)だと考えられているので、約5倍くらいだ。
因みに双極性障害で使われるのは、炭酸リチウムというリチウム塩だ。
炭酸の分子量を69、リチウムの原子量を7とすると、重量の約10%がリチウムになる。
治療に使われる炭酸リチウムは、1錠200mgで、リチウムは20mgくらいだな。
治療の場合は200mgくらいから始めて、様子を見ながら分量を増やすらしい。
リチウムのサプリメントを飲み始めて、効果が出始めるのは、1週間後くらいらしい。
これは、体内の細胞がリチウムを取り込み終わるのにかかる時間らしい。
なのでリチウムを取り始めて1週間後くらいに、効果を実感出来たら、飲む量を減らすべきかも知れない。
因みにリチウムは、服用後2~3時間後で、血中濃度がピークに達し、約18時間後に半分になる。