ビギナーズラックで成功すると、ハマりやすい?
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ビギナーズラックでうまく行くと、ギャンブルにハマりやすいと言う説がある。
ビギナーズラックというのは、ほとんど何も知らない状態で、成功するということだが、その快感が強烈に焼き付く。
その結果、また成功しようとして、ギャンブルにはまる…などという話が、もしかすると依存症の本に載っているかも知れない。
ところがこのビギナーズラック説は、ほとんど信憑性がないらしい。
というのも最初に成功したからと言って、脳に「快感回路・報酬系」ができなければ、ハマったり依存症になったりしないからだ。
たとえば宝くじを毎週のように買っている人は、ビギナーズラックで、宝くじに当たった人かというと、別にそういうわけでもないだろう。
宝くじを買い続ける人は、「もしかしたら大金が手に入るかも」と思って買い続けているだけで、実際に大金を当てた人は少数派のはずだ。
「もしかしたら当たるかも」という期待と、「あたったらどうしよう」という夢想で、当たりもしない宝くじを買い続けるわけで、ギャンブル依存症も、宝くじと同じだ。
パチンコや競馬も、株式投資なども、実は「当たらないから続けている」人が多い。
最初に当たるかどうか、うまく行くかどうかは、ハマったり依存症になる原因ではない。
もしかしたら、と言うことを思って、続けるからこそハマったり依存症になる。
そしてたまに当たったり、非常に惜しかったりする事があるから、成功するまで何度も挑戦しようとするのだ。
たまに当たるからハマる
ギャンブル依存症になるのは、ギャンブルをすることで、不安やイライラが収まることを、脳が学習するからだ。
依存症というのは簡単に言うと、不安やイライラが起こったとき、それを解消する「何か」を求める病気だ。
人によってその「何か」がタバコだったり、酒やアルコールだったり、恋愛だったり過食だったり、ギャンブルだったりするだけだ。
ただ、タバコや酒・アルコールは「薬物」で、脳の快感回路・報酬系を直接刺激する。
なので嗜んでいるうちに耐性ができ、分量が増えて依存症になる。
ところがギャンブルの場合は、薬物ではないため、はまる原因がよく分からない。
そのため、薬物の替わりに、ビギナーズラックが、ギャンブル依存症の原因であるかのように語られている。
しかしギャンブルにはまらない人は、ビギナーズラックがあろうとなかろうと、ギャンブルに依存したりしないし、はまる人は、負け続けでもハマる。
ギャンブルの賞金や賞品が快感なのではなく、勝負に集中し、勝負に没頭すること自体が、不安やイライラを癒やすので、勝ったり負けたりしておれば良いわけだ。
さらに「うまくいったり、うまくいかなかったり」というのが、実は依存症になる大きなポイントで、「ニアピン効果」などと呼んだりする。