ベンチャーキャピタルや証券会社は、どういう風に新株を売ってくるのか
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第三者割当増資が行われた場合、その増資を引き受けた個人やグループが、どういう目的で増資を引き受けたのかが、非常に大きな問題になる。
介護ロボット関連銘柄として、注目をあびたウインテストの場合も、第三者割当増資が発表された頃から、少しずつ注目をあびて株価が急騰した。
この時に第三者割当増資を引き受けたのが、企業再生を謳うベンチャーキャピタルの、Oakキャピタルという企業だった。
そこで、株価が上がり始めた頃から、ウインテストの掲示板では、Oakキャピタルがいつ新株を売りに出してくるかが問題となっていた。
Oakキャピタルは、1株121円で取得できる新株予約権を100株あたり152円で買っている。
つまり新株を1株あたり123円以上で売れば、投資資金を回収できるので、株価がそれ以上の場合は、いつでも売ってくることが予想できたのだ。
では、実際に大量保有報告書を見てみよう。
Oakキャピタルの大量保有報告書の一部(ウインテスト 16/07)
これを見ると、平成28年の7月4日に、約326万株の新株予約権を取得して、100万株を即座に権利行使して取得している。
つまり100万株の新株を、いつでも市場で売却処分できる状態だ。
しかし7月の内は株価が低迷して、売買高が少なかったせいか、市場で売却処分が殆どできていない。
にもかかわらず、残りの新株予約権も、7月末に代金を振り込んで取得している。
これは恐らく、ウインテスト側の要望に、Oakキャピタルが応えたと言うことだろうねというのもウインテストは、時価総額が上場基準に引っかかり気味で、廃止猶予期間にあったからだ。
新株の売りさばき方 Oakキャピタルの場合
第三者割当増資を引き受け、ウインテストの新株予約権を700万株持っていたOakキャピタル。
ウインテストの株価が急騰し、もしかするとOakキャピタルが、株価の上昇を冷やすのではないかと、掲示板ではずっと危惧されていた。
ベンチャーキャピタルや証券会社が、新株を市場で処分する場合は、それぞれに色々やり方があるが、Oakキャピタルの新株のさばき方は、過去のやり方を見ても、どうもよく分からないやり方が多かったからだ。
では材料が出て急騰した8月1日以降、Oakキャピタルがどのように新株を売却したか。
1週間後に出た大量保有報告書から、新株の売りさばき方を見てみよう。
Oakキャピタルの大量保有報告書の一部(ウインテスト/その2)
これを見ると、材料が出て急騰した8月1日に、手持ちの99万6400株を市場で売却している。
初日にストップ高に貼り付かなかったのは、恐らくOakキャピタルが少しずつ、売りを出していたと考えられる。
そして8月2日と4日には、新たに権利行使を行って、約165万株の新株を手に入れているが、新株は売却処分していない。
こういう場合、カラ売りでさきに売っておいて、後で手持ちの現物株で埋めると言う方法もある。
また大手証券会社などは、ビジネスライクに、一定のスケジュールどおりに毎日どんどん売却してしまう事も多い。
大量の新株を売りさばくのであれば、売買が盛んな内に、どんどん売っておきたいが、Oakキャピタルの新株売りさばき方は、ちょっと不思議な感じの売りさばき方ではある。