依存症になりやすさは、使用頻度で決まる
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依存症になりやすいものと、なりにくいモノがあるという。
依存症になりやすいモノは、いったいどう言うものか。
薬物依存の場合、使われる薬物によって、脳に与える影響は様々だ。
というのも薬物によって、刺激される脳の部分は様々で、快感回路・報酬系を活性化するか、沈静化させるかも様々だからだ。
脳の腹側被蓋野(ふくそくひがいや:VTA)を活性化する薬物は興奮剤と呼び、逆に沈静化させる薬物は、鎮静剤と呼ばれるが、どちらも依存症を引き起こす。
そして薬の効き目も、即効性があるモノから、ゆっくりと作用するようなモノもあるが、やはりどちらも依存症を引き起こす。
ただ依存症になりやすいモノは、即効性があって、効果がハッキリする薬物だ。
依存症も一種の「学習」であって、行為と結果が連合していることが分かりやすい物ほど、依存症になりやすい。
さらに依存症になりやすいかどうかは、実は「使用頻度」で決まる。
1時間おきに吸うタバコは依存症になりやすく、1日おきに飲むアルコールは依存症になりにくい。
これは薬物でも同じで、効果がハッキリしても長持ちするモノは、使用頻度が低くなるので、依存症になる割合は低くなる。
依存症は、一種の「学習」
依存症は、一種の「学習」だ。
そのため、依存症になりやすいかどうかは、即効性と、使用頻度で決まる。
そして使用頻度は、効果がどれくらい続くかで決まる。
たとえば酒やアルコールは即効性もあるけれど、効果が長続きする。
アルコールの半減期は3時間ほどで、体内から抜けるまで15時間ほどかかる。
なので、ある程度酔っ払うと、それ以上、飲む必要は無くなる。
そのためアルコールを何回か飲んだからと言って、それで依存症になることは滅多にない。
アルコールを数回飲んだあと、依存症になる割合は、5%前後だという。
一方、タバコは非常に依存症になりやすい。
タバコを吸う人の多くは、タバコが手元にないと落ち着かない。
そして1時間おきにタバコを吸わないと、ずっとイライラしっぱなしになる。
これがニコチン依存症ということだが、タバコを吸う人の7割から8割は、ニコチン依存症になる。
7割以上の高率で依存症になるということは、ほかの物質・薬物ではあり得ない。
これは、タバコの効果がすぐに消えるからだ。
タバコに含まれるニコチンは、神経毒であるため、すぐに解毒され、30分後には血中濃度が半分に下がる。
解毒が完了するのは、半減期の5倍くらい、つまり2時間半後くらいだと考えられるので、その頃にはもうタバコの効果は全くなくなっている。
そのため、効果を求めて、またタバコを吸う。
これが繰り返されることで、依存症になるわけだ。