月末は悪材料が出やすい?
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月末や週末は、株が売られて株価が大きく下がりやすい。
というのも月末や週末は、色んな材料が出やすいからだ。
月末は、何かの期限になっていることが多く、月末を迎えたことで、様々な報告が証券取引所やエディネット(EDNET)に上がってくる。
たとえば何かの契約が終了しただとか、契約が破棄されて損が出ただとか。
一方週末は、土日を挟むから、その間に何か世間で事件が起こりかねない。
特に東証一部の225銘柄は、ドル円などの為替レートの変動をもろに受けるから、世界のどこかでテロや戦争などが起こったりすると、それで為替レートが急激に動いたりする。
その結果、予想だにしない暴落が起こってしまう可能性がある。
なのでプロのトレーダーは、悪材料が出ることを怖れて、月末や週末にポジションを減らす。
プロは一週間ごとに、一月ごとにポジション整理を行い、キープする銘柄と手仕舞いする銘柄を切り分け、有望でない銘柄は手仕舞いするのだ。
そしてプロがポジションを減らすわけだから、とうぜん買いの力は弱くなり、買うのは個人ばかりと言うことになって、株価が下がってしまうと言うわけだ。
ところが、株依存症・デイトレ依存症になっていると、ついつい無用な売買をしてしまう。
月末や週末になっても、なかなかポジションを減らさなかったりする。
株依存症に陥っていると、「株が上がって儲け損なうのは嫌だ」という状態になってしまうので、どうしても株を持っていたいのだ。
それが原因で、大きな損になったりすることも多い。
土日またぎ、連休またぎ、決算またぎ、月末またぎは、とにかくポジションを減らして、不測の事態に対応しやすくしておかないといけない。
トレイダーズの大幅下落の理由とは
月末や週末には、何らかの材料が出ることが多い。
特に月末は、なんらかの契約の期限になっている場合が多く、契約の終了が大きな悪材料になることもよくある。
例えば、JASDAQ銘柄の「トレイダーズ(8704)」。
トレイダーズという企業は、トレイダーズ証券という子会社で外国為替証拠金取引・オプション取引を行っている「証券業」だ。
またビットコインやソーサリアムなどと言った、仮想通貨の取引にも関わっており、仮想通貨関連銘柄として、売買が非常に盛り上がっていた。
ところがこのトレイダーズから、2017年の7月末に、ある発表があった。
それは、子会社のとある契約解除通知の受領だった。
トレイダーズの子会社に届いた、契約解除のお知らせのIR
実はトレイダーズは、バイオマス発電にも注力しており、木材の端材などを使った小規模発電施設によって売電事業を行っていた。
そのうちの一つのプロジェクトがなかなか進まず、発電施設の引き渡しが1年以上も延期になるという状態に陥っていた。
そこで、損失が出た場合、親会社であるトレイダーズが保証するという契約を追加して再契約を結んでいたらしいのだが、このサイトでは最後まで上手く行かず、およそ11億円の支払いが発生したのだ。
バイオマス発電のプラント自体は、他のサイトで既に稼働しており、このサイトに設置している発電設備も次の建設予定サイトに移設して利用可能だという。
なので、まるまる11億円の損失ということにはならないし、帳簿上は「子会社に対する融資」でしかないのだが、この日のPTS市場では、215円だった株価が150円台まで売り込まれ、25%以上の大幅下落になった。
月末またぎをしてしまったために、ホントに大損だ。