ニアミス効果 儲け損なうほどデイトレにハマる
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デイトレ依存症になる理由に、「ニアミス効果」と「直接介入効果」がある。
ニアミス効果とは、簡単に言うと、「惜しいハズレ」とか「悔しい失敗」をすると、ゲームを続行したくなる心理のことだ。
全く箸にも棒にもかからないことは、嫌になってすぐ止めてしまうことが多い。
たとえば勉強嫌いの子供は、勉強し始めてもすぐに止めてしまう。
なぜかというと、言葉を知らないし、熟語の読みもできないから、勉強しようと思っても文章が理解出来ない。
そのためすぐに勉強をギブアップして、勉強しないで良い理由を、色々と考えて、自分を正当化し始める。
しないで良い理由を考え出すと、当然ながらやらないわけだから、依存症になんかならないよね。
一方、勉強ができる子供は、テストがあっても8割方は正答する。
しかし勉強ができる子供はそこで、「良くできた」なんて思わずに、「もうちょっと頑張れば100点取れた」と思う。
「やった、80点も取れた」ではなくて、「しまった、20点も落とした」と感じるのだ。
そのため、8割の正答率でも十分なのに、さらに復習したり練習したりする。
つまりあとちょっとでゴールに手が届く、そう感じれば、もう一度、挑戦しようと思うわけだ。
ゲーム依存症なんかは、こういうパターンで依存症になっていく。
そして、デイトレでも、こういうニアミス効果がある。
「あの株を買っておれば、大儲け出来たのに」、「こんなに騰がると思わず安売りしてしまった」、などと言った失敗やニアミスだ。
儲けるチャンスがあったのに、それをうっかり見逃したっていう事だね。
こういうことがあると、ニアミス効果でデイトレ依存になりやすいと言うことらしい。
大損切りしていないのに、大損しているカラクリ
目をつけていた株・銘柄が、思ったよりも早く騰がり始めると、「あ、しまった、買っとくべきだった」と思う。
そこですぐに買いに入れば、わずかでも利益が取れることも多い。
急騰が止まっても、初動であれば、小さな損切りで済むことも多い。
ところが買うかどうか躊躇しているうちに、株価がさらに跳ね上がっていくと、これはさすがに買いに入れないなと思う。
ところが翌日もまた大幅上昇だったりすると、これは「買うしかない」と思って買ったりする。
ところが急騰3日目は調整になることが多く、買いつけたあとに上昇が止まり、株価が反転急落してマイ転。
急騰した株は、余程の好材料でも無い限り、急落するのが急騰株・急騰銘柄の運命で、株価は真っ逆さまに落ちていくから、たまらない。
なのでそこでようやくあきらめて、泣く泣く特大の損切りする羽目になったりする。
このタイミングで値上がり率ランキングを見ると、急騰している別の銘柄が、お宝銘柄に見えてくるから不思議だ。
そこで「今の大損の分は、こっちで埋め合わせよう」などと思って買いに入って、不運にもまた高値づかみ。
儲け損なうと、ニアミス効果で、すぐにまた買いに入りたくなるんだな。
しかしこうして連続で高値づかみしてしまうと、早めの小さな損切りでも、あっと言う間に投資資金が減っていく。
5万円ほどの損切りでも、10回やれば50万円の損だから、とんでもない大損切りもしていないのに、気づいたら50万、100万、200万と、損益額が積み上がってしまう。
なので大損に用心しているだけでは、株で損してしまうわけだ。