アルコール依存症患者は、糖尿病になりやすい
更新日:
アルコール依存症は、アルコールという「薬物」の依存症だから、身体に大きな影響を及ぼす。
一番よく知られているのは、肝臓に対する悪影響だ。
アルコール性肝炎→肝硬変→肝臓ガンと言う風に症状が進む。
肝臓の病気は、不可逆性のもので、アルコールを飲み続ける限り、状態がどんどん悪化していく。
その他にも、高血圧や糖尿病も併発しやすい。
そして高血圧や糖尿病の関連で、さらに様々な病気につながっていく。
これは酒やアルコールには、意外に糖分が多いモノが多いのが原因だ。
ウイスキー、焼酎甲類、ジン、ウォッカといった、糖分が少ない蒸留酒には、糖分がほとんど入っていないが、ビールや日本酒、梅酒、発泡酒などには、かなりの量の糖分が入っているのだ。
つまりビールや日本酒を飲み過ぎることによって、大量の糖分を取ることになるかららしい。
この糖分が毛細血管に取り付いて、体中で様々な問題を引き起こす。
これが糖尿病の合併症というやつで、毛細血管の多い臓器がジワジワ傷んでいく。
目の毛細血管がやられると、糖尿病性失明、腎臓の毛細血管がやられると、糖尿病性腎症、足の毛細血管が痛むと、壊疽。
いわゆる「糖尿病の合併症」だが、糖分の多い酒を飲み続けると、これら糖尿病の合併症も引き起こしかねない。
そして糖尿病と併発しやすいもう一つの病気が、近年注目を集めている「アルコール性認知症」だ。
アルコール依存は、アルコール性認知症につながる
アルコールを飲み続けると、肝臓病や糖尿病を併発しやすい。
肝臓はアルコールを処理するため酷使され、アルコールに含まれる糖分は、高血圧や糖尿病につながるのだ。
そして糖尿病と併発しやすいのが認知症という病気だ。
認知症とは簡単に言うと、脳の毛細血管が壊れ、記憶が少しずつ失われていく病気だ。
酒やアルコールを飲むと、自制心がなくなったり、身体がコントロール出来なくなったり、今どこにいるのかも分からなくなったり、酔っ払っていた間の記憶がなかったりする。
これは実は、認知症の症状とほぼ一致する。
自制心や心身のコントロールは、脳の前頭葉という部分で行っている。
前頭葉の働きが悪くなるのは「ボケ症状」や、記憶障害が起こるのが、アルツハイマー型認知症だ。
また今日がいつで、今どこにいるかという情報は、「見当識(けんとうしき)障害」と呼ばれるモノで、脳の頭頂葉で判断される。
つまり酔っ払うというのは、一時的にこれらの脳機能が低下しているわけだ。
これがアルコール依存症になると、日常的に起こるようになっていく。
その他にアルコール性認知症の特徴は、次のようなモノがある。
アルコール性認知症の特徴(見当識障害・記憶障害以外)
- 幻聴…存在しないモノの音や声が聞こえる
- 作話…でたらめな作り話をべらべらしゃべる
- 被暗示性の高まり…すぐに妄想世界に入る
- 易怒性(いどせい)…ちょっとしたことで激しく怒り出す
- 嫉妬妄想…家族が浮気をしていると思い込む
- 飲酒の否定…酔っ払っているのに飲酒を否定する