依存症と脳内物質
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デイトレ依存症とは、株式投資のデイトレにハマり、相場が開いている間は、分足をずっと見てしまう病気だ。
デイトレ依存症になると、パソコンの前から離れられなくなり、売買頻度もどんどん高くなる。
これはデイトレに「耐性」ができて、少しの売買では満足出来なくなっていくかららしい。
依存症には、4つの特徴があって、
- 耐性:使用量や時間がどんどん増える
- 離脱症状(禁断症状):止めたり減らしたりすると症状が出る
- 渇望:やりたくてやりたくてたまらない
- 再発:しばらく遠ざかっていても、またやり始める
酒やアルコールを例に挙げると、酒やアルコールを飲み始めた頃は、少しの量で酔って満足する。
飲むと気分が良くなり、その状態がしばらく続く。
飲んだアルコールが毛細血管に取り込まれ、20~30分くらい、こういう状態が続く。
このとき、脳の中で何が起こってるかというと、腹側被蓋野(ふくそくひがいや:VTA領域)から、側座核(そくざかく)に電気信号が流れて、ドーパミンという脳内物質が放出される。
脳内物質には「やる気」を生み出すドーパミンと、心拍数や血圧を上げたりするノルアドレナリン、心を落ち着かせるセロトニンという三つがあり、これら3つの脳内物質の分泌が、アルコールによって促されるわけだ。
もっと簡単に言うと「VTA周辺が興奮する」。
興奮することによって、不安やイライラなどが消し飛ぶわけだ。
快感回路・報酬系
慣れてくると、どんどん刺激が足りなくなっていく
不安やイライラが、酒を飲むことで楽になる。
こういうことを知ったあとは、不安やイライラがあるたびに、酒を飲んでストレスを発散したくなる。
これが当たり前のようになってくると、「習慣性飲酒」と言う状態になる。
しかしアルコールを飲むことが習慣になると、今度は身体に「耐性」ができて、アルコールが効かなくなってくる。
ここで耐性ができるというのは、身体がアルコールを分解する能力が付くのではなく、脳のVTA領域の反応が鈍るだけだ。
脳というのは、慣れっこになったことにはあまり反応しなくなる性質があって、同じ量のアルコールでも、飲み慣れる前と後では反応が異なるのだ。
なので不安やイライラを解消する目的で、酒やアルコールを飲んでいる場合、目的が達成出来るまで、酒の量が増えてしまう。
酒やアルコールを飲む頻度も、週に1回から、週に2回、そして毎日のように飲み始める。
そのうちだんだん飲まずにおれなくなり、依存症になっていくわけだ。
これと同じで、株式投資・デイトレでも、最初はほんの数回で満足していたが、だんだんそれでは物足らなくなっていく。
そして株式投資をする時間が増え、デイトレでパソコンの前に貼り付く時間が、どんどん伸びていくわけだ。
そして実は、売買が増えれば増えるほど、損をする確率が増えていく。
日経平均が右上がりの時はマシだが、右下がりになっているときは、資金の逃げ足が速いので、あっと言う間に株価が下がって、損ばかりする羽目になる。
そしてこの損失がさらに、デイトレから離れられなくなる原因になり、大金を失うことになるわけだ。