逆日歩と踏み上げ相場
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カラ売りの最大の注意点は、上昇中の株をカラ売りするのは、超危険だと言うことだ。
株価が上昇するのには、何らかの材料があるのだけれど、材料の強さを見誤ると、一気に踏み上げられて大損する。
これはカラ売り専門の人に多いのだが、万年低位株に好材料が出ても、すぐに株価が下がるだろうと思って、思いっきりカラ売りを仕掛けたりする。
人気が無いから低迷しているわけだし、そんな株が買い続けられるわけがない。
そう思ってカラ売りをして、いつも成功している。
ところが新しい材料が非常に画期的で、そのとき時のテーマ株になっていたりすると、そこからストップ高の連続になったりする。
そこでカラ売り師は、そんな馬鹿なと思って、さらにカラ売りを積み上げていくのだけれど、株価はどんどん上がっていくから、含み損がみるみる膨らんでいく。
そこで自分の判断が間違いだったと気づいて、さっさとカラ売りを損切りするか、カラ売りした株数以上に制度信用買いを入れて買いヘッジする。
制度信用で買えば、自分が払う逆日歩より、自分が受け取る逆日歩の方が多くなるからね。
そうして売り方の買い埋め（買い戻し）や、ヘッジ買いが増えるので株価がさらに上昇する。
これを「踏み上げ相場」と呼ぶ。
材料を好感した買いの上に、カラ売りの損切りによる買い埋めや、ヘッジの信用買いが増えて株価が急騰するのだ。
しかしカラ売り専門のカラ売り師は、こういう事態になっても、「売り禁の売り玉は金の玉」なんて言って、カラ売りにこだわってしまう。
貸株注意喚起が出て、売り禁になって、逆日歩の倍率2倍適用になっても、買いヘッジもせずに、自分の首を絞める。
この結果、保証金は没収で、追証を求められて大変なことになる。
これが「買いは家まで、売りは命まで」ってやつだね。
逆日歩、倍率10倍適用でどうなる？
踏み上げ相場を加速するのが、逆日歩と呼ばれる品貸し料だ。
カラ売りをするには、株を借りて来て、それを売るという事になるのだが、貸株が不足すると、貸株返却を促すために特別料金が発生するのだ。
これは日証金（日本証券金融）などの制度信用を使ってカラ売りした場合だが、逆日歩が発生すると、貸株の費用が急に増えるため、それを嫌った買い埋めが起こる。
逆日歩は、貸借倍率（信用倍率）が、1.00を大きく下回ると発生するが、貸株注意喚起や売り禁になると、逆日歩が最高料率の2倍になったりする。
500円までの株価であれば、最高料率は1株あたり1円になるが、それが2倍適用で2円になるわけだね。
逆日歩の倍率10倍適用
そして、貸株の申し込みが急激に増えて、受渡日に株が用意できそうにないと、、「逆日歩の倍率10倍適用」が予告される。
つまり明日から最高料率の10倍の逆日歩をつけることにするから、カラ売りしている人は、株をさっさと返せというわけだ。
逆日歩の倍率10倍適用というのは、年に数回ほどしかない緊急事態で、もの凄い株不足が発生していないと出ない。
ただでさえ踏み上げられて含み損がヒドいのに、逆日歩がさらに追い打ちを掛けられるなんて、カラ売り側は踏んだり蹴ったりだね。
株で大損したくなければ、急騰株をカラ売りするのは絶対止めよう。
さっさと諦めて買いヘッジするか、他で稼いだ方が良い。
見切り千両、損切り万両なんて言うしね。
