手が届きそうな銘柄を高値づかみ
更新日:
ニアミス効果とは、あとちょっとで手が届きそうなときに頑張れる、という話だった。
全くかなわないような相手とは喧嘩しないが、何とかなりそうな相手なら勝負する。
手が届きそうにない異性は遠くから眺めているだけだが、ちょっと頑張れば何とかなりそうな異性には、いろいろと努力してみる。
そういうイメージかな。
株で言えば、数百万円ないと買えない任天堂などの高額銘柄には手が出ないが、30万円くらいの株なら手が出る…みたいなことになる。
そして実はこれが高値づかみの原因になることもある。
たとえば買いたい銘柄があったとして、ちょっとお金が足りない。
投資余力が微妙に足りなくて、手が出ない。
そういうときに、株価が落ちてきたらどうする?
そこでウッカリ飛びついてしまうと、危ない。
と言うのも、手に届きそうになかった銘柄の株価が、手に届くところまで落ちてきたということは、株価が下がっているわけだ。
そして自分が買える株価まで落ちてきたときに、それが押し目だったら良いのだけれど、そうだとは限らない。
下落の途中だったりすると、みるみるうちに含み損が拡大していくという羽目になる。
「落ちるナイフは掴むな」という株の格言がある。
落ちるナイフというのは大陰線のことで、株価が落ちてきたときに、下がれば下がるほど売りたい人がドンドン増えてきて、さらに大きく下がる。
こういうときに買い向かうと大ケガをするよ、落ちてくるナイフを掴むような危険な行為だ、という感じの株の格言だ。
ところがお金が足りなくて、ずっと買えずにモヤモヤしていると、こういう格言なんて頭によぎらない。
「あの株が買えるぞ!」という喜びで、うっかり手を出してしまう。
押し目狙いで、株価が下げ止まったところで買うならまだ良いが、自分の買える価格帯・株価ゾーンに入ってくると、途端に「買える!」ということで、買ってしまうわけだね。
しかしその銘柄を売買している他のトレーダー達には、そんなことは全くどうでもよいことだから、株価の下落は落ちるところまで落ちる。
いくら有望な銘柄だったとしても、いくら自分が有望な企業だと思っていても、売りたい人が多ければ株価は上がらない。
グングン株価が上昇していた時のイメージが強く頭に残っているだけで、他のトレーダーから見ると「オワコン銘柄(終わったコンテンツ)」に見えているかも知れない。
買えるか買えないか、ギリギリのところで勝負するのも楽しいが、下がってきたから喜んで買うというのは、株で損する典型的なパターンだね。