株式投資では、我慢は利益にならない
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人間というのは、利益を取るときは少額でもOKだが、損をするのは我慢できないようにできている。
一ヶ月後の2万円より目の前の1万円を取るし、2万円の損が1万円に減る選択肢よりギャンブルで損を一気にチャラにする選択肢を選ぶ人が多い。
これは「プロスペクト理論」と呼ばれる研究で明らかにされたことで、利益と損失に関して、人間が非対称の行動を取る性質があるということらしい。
もっとも、今すぐ1万円をもらわず、ヒト月待って2万円をもらう方を選ぶ人も3割くらいは居るし、2万円の損が1万円で済むならと喜ぶ人も3割くらいは居るのだが。
因みにこのプロスペクト理論の研究は、2002年にノーベル経済学賞を受賞している画期的な研究だ。
★詳しくはこちら→プロスペクト理論 利小損大はなぜ起こる?
我慢強い人ほど、大損しやすい
利小損大(りしょうそんだい)と言う言葉を株ではよく耳にするが、大多数の人間は利益はちょっとでも良いけど、損失はちょっとでも許せないらしい。
つまり含み益が出来たら、今すぐにでも利確したくて利確したくてたまらなくなる。
その一方で、含み損が出来たら我慢して、我慢できなくなるまで持ち続けようとする。
そうして我慢を続けている間に損失がドンドン膨らみ、含み損を抱えるのが嫌になった頃に、損切る。
こういう行動に出るから、利小損大になるわけやね。
もちろん、含み損に我慢強く耐えているウチに株価が回復して、含み益になることもある。
ただそれには何週間も何ヶ月も何年もかかったりするし、それだけ時間がかかっても、含み益が出たら少額でさっさと利確してしまったりする。
もちろん株価が回復しない場合も多いので、やぱり利小損大になってしまう。
そうやって貴重な投資資金をダメ株に固定してても、ちっとも楽しくはない。
忍耐強く含み損を持ち続けるより、損はさっさとぶった切って、騰がりそうな(何か始まりそうな)銘柄に乗り換えたほうが楽しそうだ。
下がる株はさっさと手仕舞い、騰がる株をみつけて利益を取る努力をした方が、何十倍も楽しい。
そういう意味でも、下落の兆候が見えたら、さっさと手仕舞う心がけとスキルを会得しないといけない。
相場環境やセンチメントが悪いときは、手仕舞いしたりカラ売りで「売りヘッジ」をして、損がどんどん膨らまないように手を打たねばならない。
迅速な損切りができて、チャンスが来るまでノンビリ構えることができるようにならないと、いつまでたっても株を楽しめるようには慣れないと思う。