バイオ株は春と秋に注目される
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季節ごとに、注目が集まりやすい業界やセクターがある。
2月や9月は例年、バイオ関連株に注目が集まりやすい。
というのも3月頃から5月くらいまで、バイオ関連の様々な学会が開かれ始めるからだ。
学会では、様々な大学の研究室や医療機関、製薬会社やバイオベンチャーによる研究発表が行われる。
そして学会のプログラムが少しずつ明らかになるにつれて、研究発表を行う製薬会社やバイオベンチャーの株が買われはじめる。
製薬会社やバイオベンチャーも、注目を集めようと、積極的にIRを出し始める。
毎年大赤字で、毎年のように数十億円の増資を行うバイオベンチャーにとって、学会発表は、研究資金を募るための一大イベントなのだ。
また秋のシーズンも、10月や11月には「バイオジャパン」などのバイオフェアが開催される。
そして何よりも10月の第一月曜日からは、ノーベル賞の発表も始まる。
今年のノーベル医学生理学賞がどうなるか、様々な予想が出され、関連銘柄を物色する動きが9月頃から始まる。
そうしてバイオ関連株が賑わった後、バイオ関連株の株価が暴落するのが、株式市場の恒例となっている。
バイオ祭りが終わったら、決算と増資が待っている
バイオ祭りが終わったあとに、株価が暴落するのは、そのあとに業績の四半期決算が控えているからだ。
バイオベンチャーは万年赤字のところが多くて、四半期決算も常に大赤字のところが多い。
さらに資金調達のため、ゴールデンウイーク後くらいから秋頃までに、第三者割当増資の発表をするところも多い。
決算が大赤字で、さらに増資となると、株価は上がりようがない。
かくして春のバイオベンチャー祭りは早々に終了して、逃げ遅れた個人投資家は、バイオ株を塩漬けにする。
バイオベンチャーは、5年後や10年後の黒字化を目指しているから、これはもう毎年の恒例行事みたいになっている。
そして黒字化にはるかに届かなくても、収入源が増えるとなると、大騒ぎして株価が上がったりもする。
ただ、株価が上昇すると、塩漬け株や第三者割当株がドカドカ出てくるため、すぐに売り潰されたりする。
バイオ株は、毎年数十億円の赤字を垂れ流し続け、増資も毎年あるのを前提で買うものだ。
中長期投資をする人に取っては宝くじみたいなセクターで、努々バイオ株で確実に利益を取ろうなんて考えない方が良い。
素人には難しすぎるので、高値づかみだけは絶対にしてはいけない。
高値づかみになったと思ったら、さっさと手仕舞いしないといけない。
やせ我慢で含み損を切らずにいると、株価が半分になるどころか、4分の1くらいになるバイオ株はゴロゴロあるしね。