掉尾の一振(とうびのいっしん)とは
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掉尾の一振(とうびのいっしん/ちょうびのいっしん)とは、12月末に相場が元気づくことだ。
年内最後の取引日を「大納会」(だいのうかい)と呼ぶのだが、大納会とその前日は、株価が上がることが多い。
「掉」(チョウ/トウ)というのは、「ふるう」「ふりうごかす」と言う意味で、掉尾(ちょうび/とうび)は、魚が尾をバタバタさせる様子のことらしい。
魚は死ぬ前や、水に潜って消える前に、尾っぽをブルッと振り動かすが、そういう様子のことだ。
なので最期の最後に勢いがでるようなことを「掉尾を飾る」(ちょうびをかざる)という。
因みに、掉尾は「ちょうび」と読むのが本式で、「とうび」と読むのは慣用読みらしい。
なぜ年末のバタバタした時期に、株価が上がりやすいのかはよく分からない。
こういう風に、原因はハッキリしないが、よく起こることを「アノマリー」と呼ぶ。
株は5月に売って、9月に戻ってこい?
アノマリーには様々なモノがあって、たとえば株は5月に売って遊びに行け、ただし9月には戻ってこい…なんて言うのが有名だ。
これは6月から8月後半まで、株式市場は盛り上がらないから、さっさと手仕舞いしてリフレッシュしてこいってことらしい。
欧米では学校が8月とか9月に始まり、6月頃に終わるところが多く、社会全体が夏休みモードになる。
そのため、株式売買をしている人々が家族連れで、バカンスに出かけたりする。
そのせいで売買に参加する人口が減って、売買が閑散化して、株式市場が盛り上がらない。
こういう期間はもう、むりにバタバタせずに、休むべしと言うことらしい。
日本で言うと7月第4週から、8月第3週くらいまでが「夏枯れ相場」になる。
7月の終わりからお盆の終わりまでは、かなりの閑散相場になって、東証一部の売買代金も1兆円割れになったりする。
なので夏枯れ相場の長いモノだと思えば良いらしい。
まあ6月は、チャイナショックだったり、ブレグジットが決まったり、結構株価が大きく動いたりするから、休んでた人の方が勝ちって事もあるが。
掉尾の一振も、年末のバタバタした時期の話だから、相場から離れている投資家やトレーダーも多く、あまり重要な話ではない。
ただ年末まで株式売買をしている人には、話のネタとして覚えて置いても良いかも知れない。