日経株が上がるか下がるかは、海外投資家の動向次第
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日本株が騰がるか下がるかは、海外投資家の動向で決まる。
日本の株式市場の売買の6割前後が、海外投資家の売買だという話もある。
なので海外投資家が日本株を買えば株価は上がるし、逆に日本株を売れば株価は下がる。
日本国内の主な機関投資家といえば、生損保(生命保険・損害保険)や信託銀行、年金機構(GPIF)といったあたりだが、投資資金は殆ど増えていない。
限られた投資資金を使って株を買ったり売ったりしているだけなので、株価をグングン上昇させるだけの力はない。
株価というのは、株式市場に流入する資金が増えて、高値追いになるから上がるのであって、流入資金が増えないと高値は取らないのだ。
そこで海外投資家の動向が、日経平均株価に大きく響く。
ではどれくらいの資金が流入すると、日経平均がどれくらい上がるのか。
2019年2月現在、日経平均は2万1,000円前後であるが、おおよそ次のような感じになっている。
- 海外投資家が5兆円くらい日本株を買い越せば、日経平均は2,000円くらい上昇する。
- 海外投資家が日本株を5兆円くらい売り越せば、日経平均は2,000円くらい下がる。
これが2010年代の日経平均のイメージだ。
なのでいつ頃、海外投資家が日本株を買い始めて、いつ頃から日本株を売り始めるのかが、大きな焦点になる。
そして海外勢が日本株をいつ売り始めるかは、会計年度にも関係がある。
会計年度とは
年度とは、1年間をどこで区切って締めるかというキメごとのことだ。
たとえば日本の学校は、4月始まり3月終わりのところが殆どで、日本人の年度感覚は、4月からが新年度だ。
会計に関する年度のことを「会計年度」と呼ぶが、日本の行政の会計年度は、4月始まり3月終わりになっている。
企業の会計年度は、何月から始まっても良いのだが、行政の会計年度と同じく4月始まり3月終わりのところが多い。
ところが国によって、年度の始まりは違う。
たとえばイギリス政府の会計年度(financial year:FY)は日本と同じく4月始まりだ。
日本の年度は、イギリス年度を採用したので、同じ4月始まりになっている。
ただイギリスと同じヨーロッパの国でも、4月始まりの年度を採用しているのはデンマークくらいだ。
4月始まりの国には、他にはカナダやインドがある。
フランスやドイツ、ロシアなどでは、年度は暦年に一致させており、1月始まり12月終わりになっている。
中国や韓国も、年度は暦年に一致させているらしい。
一方、アメリカ政府の会計年度(fiscal year:FY)は10月始まり9月終わりになっている。
さらに、スエーデンやノルウエー、オーストラリアは、7月始まり6月終わりを会計年度としている。
ホント、国によって様々なんだね。
会計年度と株価の関係
会計年度は、一年の業績を評価してまとめるものだから、年度末は「お化粧」をすることが多い。
企業は業績を上げねばならないため、赤字幅は出来るだけ小さくしたい。
そのために手持ちの保有株を売って現金化すると言うことも行われる。
また投資ファンドなども、配当金を投資者に分配しなくてはいけないため、年度末が近付くと株や債券を売って分配金を準備しないといけない。
そのため、日本株を買っている海外勢の会計年度は、日経平均株価にも影響してくる。
日本株を主に売買しているのはヨーロッパの機関投資家や投資ファンドだ。
アラブの産油国も、ヨーロッパ経由で日本株を売買しているらしい。
つまりヨーロッパの機関投資家や投資ファンドの会計年度末は、売り優勢になって株価が上がりにくくなるってことらしい。
とは言っても、海外勢が売買しているのは、東証一部の時価総額が馬鹿でかい企業だけだ。
彼らは数兆円規模で資金を運用しているので、時価総額が小さな企業で配当性向の小さな銘柄はほとんど買わない。
なので新興株や時価総額が1,000億円もないような銘柄は、ほとんど関係ないはずなんだけど、日経平均が暴落すればやはり売られるんだよねえ。