株は5月に売って、9月まで戻ってくるな
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セルインメイは、よく知られた株のアノマリーだ。
セルインメイのアノマリーは、「6月から9月始めまでは、株価が低迷しやすい」というものだ。
アノマリーとは、根拠はハッキリしないが、良く起こるパターンのことで、経験則ってことだね。
株のアノマリーは、季節に関係するモノが多くて、「節分天井・彼岸底」なんていうのもアノマリーの一つだ。
で、このセルインメイは、アメリカの株のアノマリーで、元々は
Sell in May, and go away; dont come back until St Leger day.
というものらしい。
日本では「株は五月に売れ」の部分が強調されているが、「セント・レジャー・デイ(九月中旬)まで戻ってくるな」というのがついている。
日本で言うと、夏枯れ相場みたいなイメージかな。
セルインメイは、なぜ起こるか
6月から9月始めまでの期間、株式相場はなぜ停滞するのか。
実は、欧米ではこの期間は「夏休み」の時期になる。
日本だと夏休みは8月のイメージで、9月前半はまだ夏の続きで残暑だ。
しかし欧米の学校は、8月後半は「新学年」が始まる時期で、ここからが学年の始まりになる。
特にヨーロッパでは、8月中旬くらいから学年が始まり、5月か6月に終わるところも多い。
そのため、株式市場の参加者も、6月になると休暇を取る者が増え、家族と過ごし始めたりする。
大口投資家達も、ポジション整理して、必要最小限の株数だけ残して手仕舞う。
機関投資家は投資が仕事だから株売買は続けるけれど、個人の大口投資家は休みたいときは休むので、夏休み期間は市場参加者が減ることになる。
そうして株価は低迷する、というのが、セルインメイのアノマリーと言うことらしい。
日本では、7月中旬くらいまでは個人投資家も市場に積極的参加しているので、セルインメイと言っても、あまり関係が無いような気もする。
ただ日本の大企業は3月決算の企業が多く、第1四半期(第一クオーター)の決算発表が7月に出るまでは、無風になる。
今期の見通しは4月か5月に既に発表されていて、第1四半期にそれが大きく覆されることはあまりないし。
下方修正がでる場合はあるが、余程のことが無い限り、第一クオーターで上方修正はでないし。
そうなると買い材料もないため、決算発表で業績相場にはなりにくい。
もちろん欧米の投資ファンドも配当金を支払うため、6月までに利益確定に走るしね。
こうなると株価が低迷するのは致し方ないか。