年末は、節税売りで、株価の上値が重い
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株が騰がる月、株が下がる月、次は12月だ。
12月は「節税売り」や「損出し売り」と呼ばれる売りがでて、株価が上がりにくい。
節税売りや損出し売りは、一年間の売買益を調整するために、含み損がある銘柄を損切りすることを指す。
処分していなかった株の含み損を損失として計上して、年間損益をハッキリさせるのだ。
というのも株の利益にかかる税金は、1月から12月までの一年間の損益(利益と損失の合計)を元に計算する。
この計算には、含み損は考慮されないため、損切りしてマイナスを計上するのだ。
年末の節税売りの実際
株の売買益に課せられる税金は、一年間の収支に対して課せられる。
ただしそれは決済が終わった株に関してのみで、保有株については考慮されない。
保有株にいくら含み益があっても、含み損があっても、それは一年間の損益として合計されないのだ。
となると、どうなるか。
たとえば含み損が30万円あって、確定利益のトータルが30万円だったとする。
この場合、実質はプラスマイナスゼロなのだが、帳簿上は「30万円の利益」ということになる。
株で利益がでると、税金がかかる。
2019年現在、株の利益には20%課税されるので、30万円の利益では6万円の税金を支払わねばならない。
トータルではほぼ儲かってないのに、6万円の税金を払うなんて…。
そこで30万円の含み損の株を売って決済して、30万円の損失を確定させる。
これによって年間収支をプラスマイナスゼロにすれば、6万円の税金は払わなくて済む。
これが「節税売り」だ。
因みに損益は、約定日ではなく受渡日で計算するので、大納会の2営業日前までに決済しないといけない。
含み益がある銘柄は翌年に持ち越し、含み損がある銘柄は年末に処分して、利益を圧縮して節税する。