ムーミンバレーパーク開業までに何度も噴き上がったFGI
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新しいビジネスの開始や、新しい施設がオープン日が近付くに作れて、株価は上がることが多い。
前回は、新宿の「テルマー湯」をオープンさせたエコナックホールディングスの例を取り上げたが、これは1年弱の盛り上がりだった。
手に入れたビルを改装して温浴施設を作り、営業を始めるという発表の翌年の8月に施設がオープンしたので、比較的短期間でゴールに辿り着いた感じだった。
一方、5年以上も話題になり続けていたのが、フィンテックグローバル(8789)が手がけた「ムーミンバレーパーク」だ。
このフィンテックグローバル社は、「その他金融業」に分類される投資ビジネスを生業とする中小企業だったが、2013年11月、滞在型リゾート開発を行うと発表した。
一体何を始めるのかと言うと、ムーミンのテーマパークを作るんだとか。
ムーミンのテーマパーク?ということで、最初話題になり株価も動いた。
ただ小さな投資会社がテーマパーク開発を行うなんて、あまりにも突飛な話だったため、株価はまた元の水準まで戻ってしまった。
だいたいリゾート地なんて首都圏の周辺には山ほどあるし、一体どこに作るんだ?と懐疑的な書き込みも多かった。
北欧の雰囲気を作れるような場所が、日本のどこにあるんだ?
ところが、ムーミンパークの建設予定地が埼玉県飯能市の宮沢湖周辺に決まった。
さらに西武鉄道などから土地を譲渡することが決まり、飯能市の開発許可がでた。
これは本気だと言うことで、売買が盛り上がった。
その後もフィンテックグローバル社は、開発計画や工事の進捗状況を公表し続け、投資家に情報を提供し続けた。
周辺の大学と提携、埼玉県との協業、北欧関連の商品を扱うメッツアビレッジに出店するブランドショップ情報など、何か決まる度にIRを出した。
またソニーミュージックエンターテイメントと業務提携を行ったり、エンターティナーの募集を行ったり、制服や衣装の制服を北欧の人気デザイナーを採用したり…。
フィンテックグローバル(8789) 週足チャート 2013-2019
もちろんその間には、第三者割当増資なども発表されて、株価は右肩上がりというわけには行かなかったが、低位株トレーダーにとっては常に目を離せない銘柄であり続けたわけだ。