カラ売りって一体何?
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株式取引に必要な用語の話、次は「カラ売り」と「逆日歩」(ぎゃくひぶ)だ。
カラ売りというのは、持っていない株を売るという取引だ。
持ってない株を売るので、カラ売りという風に言う。
もちろん持ってない株を勝手に売るわけには行かない。
カラ売りで売るには、他人の持ってる株を借りてこないといけない。
またいつかはその株を返さないといけない。
つまりカラ売りとは、
- 株を借りる
- 株を売る(売り建て)
- 株を買い戻す(買い埋め)
- 株を返す
という一連の取引のことを言う。
カラ売りできる銘柄と、カラ売りできない銘柄
株式市場には、数千社が上場しているが、カラ売りできる銘柄は限られている。
そしてカラ売りが出来る銘柄のことを、「貸借銘柄」(たいしゃくめいがら)と言う。
貸借銘柄で株を貸してくれるのは「日本証券金融」(日証金:にっしょうきん)という会社だ。
日本証券金融は大企業の株を中心に株式をたくさん保有しており、それを貸株に出してくれるのだ。
信用取引には「制度信用」と「一般信用」という区分があるが、制度信用を請け負っているのが日証金だ。
この日証金がが株を買うお金を貸してくれたり、カラ売りに使う株を貸してくれたりするので、中小の証券会社でも信用取引を行うことが出来るわけだ。
制度信用と一般信用
制度信用とは
日証金を使った信用取引のことを「制度信用」(せいどしんよう)と呼ぶ。
信用取引をする場合、「制度」とか「一般」という区分があるが、
制度=日証金を使う
という意味になる。
この制度信用の返済期限は、半年後に設定されている。
一般信用とは
では「一般(信用)」とは何か?
大きな証券会社では、独自に資金や貸株を用意して、信用取引が出来るような仕組みを作っている。
日証金ではなく、証券会社が用意した仕組みを利用する場合が、一般信用だ。
一般信用は、証券会社が独自で行っているため、返済期限も様々だ。
たとえば大企業銘柄だと、返済期限は2年になっているところが多い。
制度信用だと、半年以内に返済期限しないといけないが、2年まで引っ張ることが出来る。
また制度信用ではカラ売りできない銘柄を、カラ売り可能にしている証券会社もある。
SBI証券の「HYPER空売り」(通称:ハイカラ)だとか、松井証券の「プレミアム空売り」などというのがそれだ。
楽天証券も「いちにち信用」という名前で、特定の銘柄をカラ売り可能にしている。
証券会社が独自にカラ売り可能にしている場合、返済期限は1日とか数日など、短い場合が多い。
信用取引やカラ売りの費用と、逆日歩(ぎゃくひぶ)
信用取引は資金や株を借りて行うが、借りた分の金利を毎日払わねばならない。
制度信用では、年利3%弱、一般信用では年利3.5%くらいの金利・貸株料になっている。
ハイカラやプレカラなどの一日信用では、日ごとに貸株料が変動する。
また、貸株が不足した場合に課せられる特別料金もあって、これを「逆日歩」(ぎゃくひぶ)と呼ぶ。
逆日歩が付くことによって、株価が大きく動く事も多い。
★こちら。なぜか騰がる銘柄 逆日歩と踏み上げ相場
逆日歩については、次で説明する。