第三者割当増資 権利行使凍結

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新興市場株や超低位株、ボロ株といった企業にとって、第三者割当増資は重要だ。

 

というのも事業を継続し、上場を続けるには、資金繰りが必要だからだ。

 

赤字が続くと自己資本が減るため、増資しないと事業が続かないのだ。

 

そのため低位株やボロ株企業が、第三者割当増資を行うと、倒産や上場廃止が遠のいたとして、株価が上がることもよくある。

 

また第三者割当増資を行う場合は、投資会社や証券会社に対して、詳しい事業計画を出さねばならない。

 

つまり事業計画が見込みがあるからこそ、第三者割当増資が行われるわけで、近々何か新しいビジネスを始めることもわかる。

 

そこで株価が急騰したりするのであるが、問題は新株がいつ市場に出てくるかだ。

 

ベンチャーキャピタル(VC)は、新株予約権を引き受けて、それを少しずつ権利行使して新株を仕入れ、株式市場で売りさばいて資金を回収する。

 

回収した資金でまた新株を仕入れて、それを売りさばくということを繰り返す。

 

なので増資を引き受けた会社が、すぐに新株を市場で売りさばき始めると、せっかく上がった株価が冷やされてしまう。

 

IPO(新規上場)の場合は、大株主の株売却で株価が下がらないように、大株主やVCには90日から180日の「ロックアップ」期間が設定されているほどだ。

 

もちろん、第三者割当増資でも、新株の権利行使のスピードが速ければ、「市場売却の凍結」を申し入れることもできる。

 

2016年春のソフトフロントの場合も、増資を引き受けたベンチャーキャピタルが、どんどん権利行使してしまったため、3ヶ月の権利行使停止を申し入れたらしい。

 

そこで、約700万株の新株を引き受けたOakキャピタルの市場売却処分は、約100万株だけ処分が進んだところで、5月末まで凍結されることになったらしい。

 

大量保有報告書(Oakキャピタル/ソフトフロント H28.05)その3
ということで、3月末までに約100万株が売却処分、5月下旬に売却が再開されて、約40万株の新株が処分されている。

 


Oakの不可解な新株売却スケジュール

2016年2月末に、ソフトフロントの新株予約権を700万株引き受けたOakキャピタル(VC)。

 

3月はじめに、およそ半分を権利行使し、そのうち100万株を売却処分した。

 

しかし権利行使のスピードが速すぎて、市場売却凍結依頼を受けたらしい。

 

市場売却処分が再開されたのは、5月の下旬で、3月に約100万株、5月に約40万株が処分された。

 

そして6月に入ってからは、デジタルポスト関連の材料によって、ソフトフロント株が急騰したため、VCの新株売却がまた始まった。

 

ソフトフロント株の売却状況(大量保有報告書より。

 

2016/06)

これを見ると、6月の前半で、新株を240万株も処分している。

 

ところが不思議なことに、6月はそこで売却が終了し、売却再開は7月1日になっている。

 

日足チャートと新株の売却状況の推移その1
株価は6月末にピークをつけているので、一番儲けになる日には、なぜか株を売ってきていない。

 

210円で仕入れた株を、600円で売るチャンスが2日もあったのに、どういうわけか、大チャンスで株を売ってきていない。

 

日足チャートと新株の売却状況の推移その2
そうして株価がピークをつけた後の7月1日に、また新株の売却が再開されている。

 

この時点での株価は400円前後だから、資金回収失敗とは言えないし、700万株の新株を520万株処分しているから、なーんか、不思議な新株の処分だった。

 

日足チャートと新株の売却状況の推移 全体
因みにこの4-6月期のOakの決算は、前年同期比91%減益になっているので、6月に大きな利益を計上しても、問題はなかったはずなんだがなあ。

 


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