信用取引のコストと、逆日歩(ぎゃくひぶ)
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信用取引とは、資金や株を借りて行う取引だ。
保証金を積んで、株を買う金やカラ売りするための株を借りて株取引を行う。
そのため、金利や貸株料という費用が発生する。
金を借りて株を買う場合を「買い建て」といい、買った株を「買い玉(かいぎょく)」と呼ぶ。
買い玉は返済期限までに「売り埋め」して、資金を返さねばならない。
一方、株を借りて売る場合を「売り建て」といい、売った株を「売り玉(うりぎょく)」と呼ぶ。
売り玉は返済期限までに「買い埋め」(買い戻し)して、借りた株を返さねばならない。
これらの取引を引き受けているのが、日本証券金融という会社で、略して「日証金(にっしょうきん)」と呼ぶ。
日証金では、大企業の株を中心にたくさんの株を保有したり、貸株用の株を大株主から借りる契約をしている。
それで大企業の株が、カラ売りできるわけだ。
逆日歩って何?
もちろんお金を借りたり株を借りるには、それなりのコストが必要だ。
商売だから、タダで貸してくれるわけではない。
日証金の制度信用では、年利3%弱相当の金利を支払わねばならない。
金利は一日単位で加算されていくので、長期間借りれば借りるほど、コストが嵩んでいく。
証券会社が独自に行っている一般信用では、3.5%くらいの金利になっているところが多いようだ。
そしてさらに貸株に関しては、逆日歩(ぎゃくひぶ)と呼ばれる特別加算料金がある。
日証金が用意できる貸株には限度があって、それを越えてしまうと特別料金が発生するのだ。
逆日歩情報は、楽天証券の売買ツールであるマーケットスピードでは、次のように表示される。
マーケットスピード 逆日歩
日証金速報と株不足情報
日証金では、毎日速報を出していて、次のように表示される。
この例はガンホー(3765)だが、日証金では718万株もの株不足が発生していることになっている。
逆日歩は1株あたり5銭で、毎日、100株あたり5円の特別料金が加算される。
極端に株不足が進むと、逆日歩は1日1円とか2円になり、カラ売りしている人はジワジワとコストが嵩んでいくため、カラ売りの買い戻しで株価が上昇すると言うことが起こる。
そしてカラ売りの買い戻しによって、株価がドンドン上がっていく状態を「踏み上げ」という。
株価が上がればカラ売り側は含み損がドンドン増えて行くので、踏み上げ相場になると慌てて高値で株を買い戻さねばならなくなるのだ。